行田市立太田中学校 いじめ防止基本方針


目次
[はじめに]
[1] いじめの防止等のための対策の基本的な方向に関する事項
[2] いじめの未然防止のための取組
[3] いじめの早期発見への取組
[4] いじめの早期解決への取り組み
[5] いじめの問題に向けての校内組織
[6] いじめの防止対策推進法第二十八条における「重大事態」の対応について
[7] インターネットを通じて行われるいじめの対策
[8] 年間行事予定

  
【はじめに】

 行田市立太田中学校では、『いじめ防止対策推進法 第十三条』に基づき、『行田市立太田中学校 いじめ防止基本方針』を策定する。これは、生徒が安心して学校生活をおくることができる学校づくりのために、また、いじめの防止や早期発見、早期解決に向けた対策のために、教職員が組織一丸となって効果的に推進するためのものである。また、『埼玉県いじめの防止等のための基本的な方針』及び『行田市いじめの防止等のための基本的な方針』を参酌している。
 この方針を受け、全教職員が「いじめは絶対に許さない」「生徒たちを全力で守る」という強い意志のもと、教職員同士はもとより、地域や家庭、そして関係機関等と協力連携し、いじめの撲滅に取り組む姿勢である。 



【1】 いじめの防止等のための対策の基本的な方向に関する事項

(1)いじめの定義
 「いじめ」とは、生徒の対して、該当生徒と一定の人的関係にある他の生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネット等を通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった生徒が、心身の苦痛を感じているものをいう。
 具体的ないじめの態様には、以下のようなものがある。
①冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる
②仲間外れ、集団で無視をされる
③ぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする
④金品をたかられたり、隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする
⑤嫌なことや恥ずかしいこと、危険なこと、不本意なことをされたり、させられたりする
⑥パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる。
 ただし、いじめには多様な態様があることに鑑み、いじめに該当するか否かを判断するに当たって、「心身の苦痛を感じているもの」との要件が限定して解釈されることのないように努めることが必要である。

(2)いじめに対する基本認識
 子どもたちのいじめを防止するためには、子どもを取り囲む大人一人一人が以下のような意識を持ち、それぞれの役割と責任を時間することが必要である。
①いじめは絶対にゆるされない
②いじめは卑怯な行為である
③いじめはどの子どもにも、どの学校にも、起こりうる
④いじめは大人の見えないところで行われることが多く、発見しにくい
 いじめの問題の克服は、心豊かで、安全・安心な社会をいかにしてつくるかという、学校を含めた地域社会全体の課題であり、学校のみならず、保護者や地域と連携をとりながら解決していく必要がある。

(3)いじめの防止等の対策に関する基本理念
 いじめ防止等の対策は、以下の4点を重視して行われなければならない。
①全ての生徒が安心して学校生活を送れるようにするため、学校内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすること
②いじめを認識しながら放置されることがないようにするため、いじめが、いじめられた生徒の心身に深刻な影響を及ぼす許されない行為であることについて、全ての生徒が十分に理解できるようにすること
③いじめ防止等について生徒の主体的かつ積極的な参加が確保できるよう留意し、生徒がいじめの問題を自ら解決していこうとする態度を育成すること
④いじめを受けた生徒の生命および心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、学校のみならず、保護者や地域、その他の関係者との連携のもと、いじめの問題の克服を目指すこと

 

【2】 いじめの未然防止のための取組
 いじめを未然に防止するため、いじめに向かわせないために、下記の取組を行う。

(1)教職員
 いじめについて基本的な共通理解を図るとともに、発達段階における適切な対応ができるように、研修会等へ積極的に参加したり、自主研鑽を積む。また教職員間においても、いじめに関する問題だけに限らず、様々な事を相談しやすい雰囲気作りをお互いに積極的に行う。

 未然防止においては、「何も起こっていないときの指導」が最も大切である。
 授業においては、基礎基本的な指導を重点的に扱い、分かりやすい授業を行う。それにより、基礎的な知識や技能を生徒に習得させる。その上で段階的に指導を進め、生徒に達成感を味わわせることで、自尊感情を育む。
 学級活動においては、話し合い活動を重視し、集団や社会の一員として、進んでより良い生活や仲間作りに参画しようとする力を育成する。
 道徳の時間におていは、話し合い活動や意見交換など言語活動を重視し、自分とは異なる意見や性格、情況をもつ他人を受け入れることができる心情を育成する。
 特別活動においては、学校行事や生徒会活動など、生徒が活動する時間の確保に努め、自発的、自主的、自治的な活動ができる機会を増やす。部活動では異年齢集団として、先輩が中心となって活動を進めていくことで、責任感と達成感を味わわせ、自己有用感を育む。また、地域行事へのボランティア活動などを通して、コミュニケーションの力の育成を図る。
 教職員の不適切な言動が、生徒を傷つけたり、他の生徒によるいじめを助長したりすることのないよう、注意を払う。

(2)学級担任
 常時いじめ問題について触れ、「いじめは人間として絶対に許されない」という雰囲気を作る。相手に不快な思いを抱かせる言動はもとより、見て見ぬふりをする行為も、いじめを肯定していることを理解させる。いじめを抑制する仲裁者を育てる。
 学校行事や道徳、学級活動、そして普段の生活等を通して、生徒の社会性や人間関係スキルの育成、望ましい人間関係づくりの取組等を行い、規範意識の向上を図る取組を推進する。

(3)養護教諭
 学校保健委員会等、さまざまな教育活動の場面で命の大切さを取り上げる。
 また、何気ないつぶやきがいじめの早期発見へ繋がる場合もあることを理解し、学級担任をはじめ、他の教職員やスクールカウンセラー等と積極的に情報共有を行う。

(4)生徒指導主任・教育相談主任
 いじめの問題について、校内研修や職員会議等で取り上げ、教員間の共通理解を図る。
 教職員や管理職と連携し、生徒へのアンケートや担任と生徒の個人面談等を、計画的かつ定期的に実施する。
 保護者や生徒に対してインターネットや携帯電話等の使い方に関するルール作り等を促したり、ネットアドバイザーや警察組織などと協力し、情報モラル教育やネットいじめについて啓発活動を計画、実施する。

(5)特別活動主任・生徒会担当
 生徒会によるいじめ撲滅宣言や相談箱の設置等、生徒がいじめの問題に主体的に参加できるようにする。

(6)管理職
 学校の教育活動全体を通じた道徳教育や人権教育、さまざまな体験活動、読書等の計画的な推進を図る。また、朝会等の講話にいじめの問題を取り入れ、「いじめは人間として絶対に許されない」という雰囲気を作る。
 また、教職員がいじめに関する指導等を抱え込まず、相談し、共通理解、共通行動の下、一丸となって対応や指導しやすい雰囲気をつくる。

 

【3】 いじめの早期発見への取組
 教職員は、生徒のささいな変化であっても、いじめではないかという疑いを持ち、いじめの早期発見に取り組む。

(1)教職員は、いじめは大人の目のつきにくい時間や場所で行われたり、遊びやふざけ合いを装って行われたりすることを常時認識し、生徒が示す小さな変化や危険信号を見逃さないよう、アンテナを高く保ち生徒と接する。気になる生徒や出来事等の情報は、生徒指導・教育相談委員会等を介して、学年や学校全体で共有する。
(2)学級担任は、「彩の国 生徒指導ハンドブック(New I's)」にある「いじめ発見のチェックポイント」を年3回以上(6月、11月、2月を基本として、気になったときに随時)活用し、該当する項目があれば生徒に声をかけ、該当する項目が複数あるときには学年主任や生徒指導主任に相談する。
(3)養護教諭は、保健室を利用する生徒との話の中等で、いつもと何か違うと感じたときには、その機会を捉え悩みを聞く。
(4)管理職は、生徒や保護者、教職員がいじめに関する相談を行うことができる体制を整備する。

 

【4】 いじめの早期解決への取組
 教職員が、生徒の些細な変化に気付き、生徒の現状を情報共有し、速やかに下記の取組を行う。

(1)教職員は、いじめと疑われる行為を発見したり、生徒や保護者から「いじめではないか」との相談があった場合は、速やかに関係生徒から聞き取るなどして、いじめの正確な実態把握を行う。
(2)いじめられた生徒に対し、いじめから守ることを伝え、不安を取り除く。また、いじめられた生徒にとって信頼できる人と連携し、その生徒に寄り添える体制をつくる。また、家庭との連携を図り、学校の取組についての情報を家庭に伝え、保護者の不安を軽減させると共に、協力体制を築く。
(3)いじめた生徒へは、いじめは人格を傷つけ、生命、身体または財産を脅かす行為であることを理解させる。また、家庭との連携を図り、学校の取組についての情報を家庭に伝え、保護者との協力体制を築く。
(4)学級担任は、学級で話し合いを行い、いじめは絶対に許されない行為であり、根絶しようという態度を行き渡らせる。また、いじめを見ていた生徒に対しては、いじめを止めることはできなくても、誰かに知らせる勇気を持つよう伝える。いじめに同調していた生徒に対しては、それらの行為はいじめに加担する行為であることを理解させる。
(5)相談員やスクールカウンセラーは、生徒・保護者がいじめに関わる相談ができるような相談体制を確立する。
(6)道徳教育部・特別活動部は、生徒の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人関係を養うため、すべての教育活動を通じて道徳教育・体験活動の充実を図る。

 

【5】 いじめの問題に向けての校内組織
 いじめ防止等の対策を行うため、生徒指導委員会を設置する。

(1)構成員
 校長、教頭、教務主任、生徒指導主任、各学年の生徒指導担当、養護教諭、さわやか相談員とする。事案により、学級担任や学年主任、部活動顧問等を加える。また必要に応じて、スクールカウンセラー等、心理福祉の専門家等も加える。

(2)主な活動内容
 問題を抱えている生徒について、現状及び今後の指導方針について情報交換し、全職員で共通理解、共通行動ができるように情報の共有を図る。
 生徒対象に「いじめアンケート調査」を年2回(7月、11月)実施する。
 いじめを把握した場合には、学級担任、生徒指導担当教員、養護教諭、管理職等で役割を分担し、指導・支援体制を組む。
 生徒の生命・身体等に重大な被害が生じる恐れがある場合は、直ちに行田警察署へ通報し、援助を求める。

 

【6】 いじめの防止対策推進法第二十八条における
  「重大事態」の対応について
 いじめの防止対策推進法第二十八条における重大事態に至った場合は、行田市教育委員会へ報告し、以下の対応を行う。

○調査組織は、公平性・中立性確保の観点から、生徒指導委員会を母体とし、心理・福祉の専門家等の専門的な知識や経験を有するもので、当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係や特別の利害関係を有しないものを加える。
○調査にあたっては、いじめ行為の事実関係を網羅的に明確にする。たとえ、学校側に不都合なことがあったとしても、事実にしっかりと向き合う。
○アンケートから得られたことは、いじめられた生徒や保護者に提供する場合があることを調査対象の生徒や保護者に説明しておく。
○明らかになった事実関係を、いじめられた生徒や保護者に適切に提供する。
○調査結果を行田市教育委員会へ報告する。その際、いじめられた生徒や保護者が希望する場合には、いじめを受けた生徒や保護者の所見をまとめた文章の提供を受け、調査結果に添える。

 

【7】 インターネットを通じて行われるいじめの対策
 携帯電話やスマートフォン、パソコンなどを用いてインターネットを介して起こるいじめやトラブルを未然に防いだり、早期に発見するために、下記の取組を行う。

(1)技術科(情報)の授業など、インターネットを使う機会において、正しく安全な使い方の指導を行う。個人情報の漏洩も含め、インターネット上に流れ出た発言や写真など情報は、簡単に複製することができ、完全に消し去ることができず、いつまでも残り続ける危険性があることを理解させる。
(2)埼玉県庁青少年課や埼玉県ネットアドバイザー、その他関係機関や情報技術に関する教育機関等と協力し、携帯電話やスマートフォン、インターネットなどの危険性と正しい使い方について講演会を開催し、生徒だけでなく保護者への啓発を行う。
(3)家庭・保護者と協力し、携帯電話やスマートフォン、パソコンの使い方のルールを決めていただいたり、適切な「フィルタリング設定」をしていただくよう働きかけをしていく。
(4)ネットパトロールからの情報をもとに、全体指導や個人指導を行い、トラブルを未然に防いだり、拡大に歯止めをかける。

 

【8】 年間行事予定

内容
通年 ○日々の様子の観察、教職員の情報共有(全職員)
○生活記録ノートによる生徒との対話(学級担任)
○教育相談の日の実施(学級担任・部活動顧問等)
○相談カードの定期的な実施(学級担任等)
4月 ○「いじめ防止基本方針」の策定・見直し(運営委員会・生徒指導委員会)
5月 ○学級における話し合い活動の充実(特別活動)
○問題を抱えている生徒に係る現状及び今後の指導方針の情報交換(生徒指導委員会)
○さわやか相談員による1年生全員面談(さわやか相談員) ~6月
○生徒総会における「いじめ撲滅宣言」(生徒会活動)
6月 ○「彩の国 生徒指導ハンドブック(New I's)」にある「いじめ発見のチェックポイント」実施(学級担任)
○授業改善に関わる授業研究(校内研修)
○1・2年生のQUテスト(学級担任・学年職員)
○携帯スマホ教室(全校対象)
7月 ○学級担任による家庭訪問
○「いじめアンケート調査」の実施(生徒指導委員会)
○「いじめ防止基本方針」1学期評価・改善検討(運営委員会)
8月 ○小中連携による太田三校合同研修会(全職員)
9月 ○夏休み明けの様子の観察(全職員)
10月  
11月 ○「彩の国 生徒指導ハンドブック(New I's)」にある「いじめ発見のチェックポイント」実施(学級担任)
○学級担任による三者面談または二者面談
○「いじめアンケート調査」の実施(生徒指導委員会)
○問題を抱えている生徒に係る現状及び今後の指導方針の情報交換(生徒指導委員会)
12月 ○「いじめ防止基本方針」2学期評価・改善検討(運営委員会)
○保護者対象の人権教育学習会(管理職)
1月 ○冬休み明けの様子の観察(全職員)
2月 ○「彩の国 生徒指導ハンドブック(New I's)」にある「いじめ発見のチェックポイント」実施(学級担任)
○学校評議員及び学校関係者評価委員における基本方針の協議(管理職)
3月 ○今年度の問題の検討及び新年度の取組の検討(運営委員会)
○小中連携による児童生徒情報交換会(学年該当職員等)